この時間が好き

 

映画や小説を読み終わった後のこの時間が好きだ。すぐに行動して何かをしたいって感情と終わった余韻にまだ浸かってたいって感情が、心のパレットの上でごちゃ混ぜになって、やがて灰色になる。この僕の語彙ではきっと表せない、こんな感情が好きだ。この時だけは世界がゆっくり、そして静かになる。ゆっくり、でも確実に時間が過ぎていることを時計の秒針が教えてくれる。これがないと僕はあと20年はこのまま過ごしてきっと売れ残りのアラフォーになってしまうと思う。でも、それでも良いと思えるこの気持ちが好き。現実を教えてくれる時計の針も好き。今だけはなんでも許せる気がする。